高血圧症は生活習慣病の一つであり、適切な治療と生活習慣の改善によって、予防や進行の抑制が可能です。今回は、高血圧の管理に重要なポイントをご紹介します。
家庭血圧測定の基本
正確な血圧を把握するためには、家庭血圧測定が有効です。以下のタイミングで測定を行いましょう:
- 朝:起床後、トイレの後、朝食や内服前に測定
- 夜:就寝前に測定(食事、飲酒、入浴直後は避ける)
高血圧対策の4つの柱
① 塩分制限
1日の塩分摂取量を6g以下に抑えることが推奨されています。
- ラーメンのスープは残す
- 出汁を活用する
- 減塩調味料を選ぶ
- 調味料は「かける」より「つける」を心がける
- 味噌汁は1日1杯まで
② アルコール摂取量の制限
適度なアルコール摂取が重要です。
- 男性:1日20~30mlまで
- 女性:1日10~20mlまで
例:日本酒1合(180ml)、ビールロング缶1本、ワイン2杯程度
③ 運動習慣の確立
1日30分の運動を目標にしましょう。
まとまった時間が取れなくても、短時間の運動を積み重ねることが効果的です。適度に心拍数が上がる強度が望ましいです。
④ ストレス管理
十分な休養と睡眠を確保しましょう。これにより血圧の安定化が期待できます。
高血圧を防ぐ「DASH食」とは?
DASH食は、アメリカで提唱された高血圧予防・改善を目的とした食事法です。その特徴は以下の2点に集約されます:
- 増やすべき栄養素:カリウム、カルシウム、マグネシウム、食物繊維、たんぱく質
- 減らすべき栄養素:飽和脂肪酸、コレステロール
これらを組み合わせることで、体内の余分な塩分排出を促進します。
DASH食に含まれる主な食品
- 野菜や果物、海藻類:ミネラルや食物繊維が豊富(果物の過剰摂取には注意)。
- 種実類:アーモンドなどにマグネシウムが豊富。
- 牛乳や乳製品:カルシウムを補給(低脂肪のものが望ましい)。
- 魚類(青魚):不飽和脂肪酸が豊富で血栓予防に効果的。
- 豆類:良質なたんぱく質と食物繊維を多く含む。
おわりに
高血圧の管理には、生活習慣の見直しが欠かせません。家庭での血圧測定や食生活の改善、適度な運動を習慣化することで、血圧コントロールを目指しましょう。気になることがあれば、ぜひ当院までご相談ください。