オルメサルタンはARBの中でも使用頻度の高い降圧薬であるが、稀ながら重篤な副作用として「オルメサルタン関連腸症が知られている。
長期内服後に発症することが多く、消化器疾患として見逃されやすい。
臨床的特徴
• 慢性下痢(数週間〜数か月以上持続)
• 体重減少
• 脱水、低栄養、電解質異常を伴うことあり
• 腹痛や血便は目立たないことも多い
• 発症までの期間:内服開始から数か月〜数年後
「最近始めた薬」ではなく、長年内服している薬が原因となる点が重要。
鑑別で問題となる疾患
• セリアック病
• 炎症性腸疾患
• 感染性腸炎
• 膵外分泌不全
• 過敏性腸症候群
特にセリアック病類似像を呈する点が特徴。
検査所見のポイント
• 採血:低アルブミン血症、貧血を伴うことあり
• 便培養:陰性
• 上部内視鏡・小腸生検:
• 小腸絨毛萎縮
• 炎症細胞浸潤
診断の実際
• 明確な診断基準はない
• オルメサルタン内服歴+原因不明の慢性下痢
• 他疾患除外後、中止による症状改善が診断的意義を持つ
治療・対応
• オルメサルタン中止が最も重要
• 中止後、数日〜数週間で下痢が改善する例が多い
• 他ARBやCa拮抗薬などへの変更で問題ないことが多い