抗精神病薬「レキサルティ(一般名:ブレクスピプラゾール)」が、2024年9月から認知症に伴う行動・心理症状(BPSD)へ適応になりました。
認知症とBPSD
認知症というと「もの忘れ」のイメージが強いかもしれませんが、実際には、認知機能の低下だけでなく、行動や気分にさまざまな変化が現れることがあります。これをBPSDと呼びます。
具体的には、
- 夜間に落ち着かず歩き回る(徘徊)
- 些細なことで怒りっぽくなる、攻撃的になる
- 強い不安や抑うつ気分が続く
といった症状が見られることがあります。
レキサルティという薬について
レキサルティは脳内の神経伝達物質であるドパミンやセロトニンに作用し、バランスを調整するお薬です。
従来からBPSDの治療には抗精神病薬が用いられてきましたが、過鎮静(強い眠気や意欲の低下)などの副作用が問題となることがあり、当院でもBPSDは抑えられたものの、過鎮静の副作用が大きく出てしまうケースがあり、治療に難渋することがありました。
レキサルティは、そうした従来薬と比べると過鎮静が少なく、より生活の質を保ちながら治療できる可能性がある点が大きな特徴です。また、錐体外路症状(手足のふるえや筋肉のこわばりなど)や体重増加といった副作用も比較的少ないとされています。(2mg以上になると副作用が増えると言われています)
投与量について
当院での経験を踏まえると、まず0.5mgから開始することが多いです。そして実際のところ、0.5mgで十分コントロールできる方が大半です。
一応の維持用量は1mgとされていますが、必ずしも全員に増量が必要なわけではなく、少量で落ち着く方も多くいらっしゃいます。
一方で、2mg以上に増量すると副作用が出やすくなるという特徴もあります。特に高齢の方では体への影響が出やすいため、できる限り最小限の量で効果を得ることが重要です。
副作用
副作用は比較的少ないとされていますが、不眠やアカシジア(じっとしていられない、落ち着かない症状)が出ることもあります。特に用量を増やしたときに出やすいため、投与後は体調の変化を丁寧に確認しながら調整していきます。
まとめ
レキサルティは、従来の薬では対応が難しかった認知症のBPSDに対して有効な新しい選択肢のひとつで、当院でも採用薬となりました。
認知症の症状でお困りの方、ご家族の介護に悩まれている方は、どうぞお気軽にご相談ください。
↓参考:レキサルティ発売元HPより引用
