五苓散の効果の特徴
- 五苓散は「水毒」に対する処方で、気圧変動に伴う頭痛(天気痛)に特にヒットしやすい。
- 片頭痛・緊張型頭痛など頭痛の病型に関わらず有効例が多い。
- 悪化しにくく安全性が高いため使いやすい。
効果発現の時間・服用期間
- 芍薬甘草湯のような即効性とまではいかないが、1〜2時間で効果発現する例もある。
- 気圧変動を繰り返す人では、
- 梅雨時期などは毎日内服(1日1〜2回)+痛い時に追加
- 頻度が多くない人は、気圧変動の2〜3日前から予防的に開始
- 頭痛アプリで気圧低下の予測を活用すると内服タイミングが取りやすい。
頓用での効果
- 頓用でも一定の効果が期待できる。
- ただし、水分バランスの乱れが背景にある場合は連日内服の方が安定しやすい。
エムガルディ(CGRP抗体)との比較
- エムガルディなどCGRP抗体薬の方が片頭痛の予防効果は明らかに強い。
- 五苓散は
- 体質(特に水毒、気圧感受性)に合致する人には効く
- 予測困難な偏頭痛頻度を大幅に下げる力は弱い
- 実臨床では
- 軽症〜中等症 → 五苓散のレギュラー使用・頓用、NSAIDs/アセトアミノフェンなどの鎮痛薬
- 高頻度/難治 → CGRP抗体・トリプタン等へ
という階層的な位置づけ。
五苓散が効きやすいタイプ
- 気圧変化に弱い(天気痛)。
- 冷え性。
- めまい・ふわふわ感を伴う。
- むくみやすい。
- 消化管症状が目立たない(※呉茱萸湯とは対照的)。
関連処方
- 呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
- 典型的片頭痛(悪心・嘔気)
- うなじの張り
- 消化器虚弱
- 苓桂朮甘湯
- めまい・ふわふわ感を伴う頭痛
- 半夏白朮天麻湯
- 腹直筋緊張(うっすら腹直筋が見えるような体質)+頭痛
- 猪苓湯
- 暑がりで水分障害があるタイプの頭痛
五苓散は「効くも八卦、効かぬも八卦」ではあるが、
冷え性の天気痛には特に当たりやすいという臨床上の経験則は一致している。