回転性めまいで受診される方はとても多く、診断に苦慮する事も多いです。経験則も含め、病態整理、診断・治療選択について、まとめました。
回転性めまい外来では、BPPV/メニエール病/前庭神経炎で約80〜90%を占める。
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① BPPV(良性発作性頭位めまい症)
病態
• 半規管内への耳石迷入(最多原因)
• 末梢性・機械的障害
臨床像
• 持続:数秒〜30秒(長くても1分以内)
• 誘因:頭位変換(寝返り・起床)
• 耳症状:なし
• 反復:あり(疲労性)
治療
第一選択
• 頭位治療(耳石置換法)
• 後半規管型:Epley法 など
• 外側半規管型:Lempert法 など
薬物療法
• 原則不要
• 悪心が強い急性期のみ短期で制吐薬を考慮
注意点
• 抗めまい薬の漫然投与は回復遅延の原因
• 「安静のみ」では再発しやすい
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② メニエール病
病態
• 内リンパ水腫
• 発作性・反復性疾患
臨床像
• 持続:数十分〜数時間(多くは半日以内)
• 耳症状:難聴・耳鳴・耳閉感
※初期は目立たないことあり
• 反復:あり
• 自然軽快:よくある
治療
急性期
• 抗めまい薬(短期)
• 制吐薬
• 必要に応じ安静
発作予防・慢性期
• 浸透圧利尿薬
• 利尿薬
• 生活指導(睡眠・ストレス・脱水回避)
実臨床の考え方
• 初期は「耳症状がはっきりしない前庭型」として経過観察
• 発作頻度・聴力推移で治療強度を調整
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③ 前庭神経炎
病態
• 前庭神経の炎症(ウイルス関連が示唆)
• 単発・急性発症
臨床像
• 持続:数日〜数週間
• 重症度:激烈
• 耳症状:なし
• 反復:原則なし
• 悪心・嘔吐:強い
治療
急性期
• 抗めまい薬・制吐薬(短期)
• 脱水是正
• 重症例では入院管理を考慮
回復期
• 早期から前庭リハビリ
• 中枢代償促進が重要
• 抗めまい薬の長期使用は避ける
注意点
• 回復期に浮動感が遷延 → PPPD移行に注意