特に症状なく、LDH持続高値のみで、最終的に悪性リンパ腫の診断となった症例を経験しました。LDHについてまとめます。
基本事項
- 基準値:120〜220 U/L
- 半減期:アイソザイムにより9〜79時間(LD5は短く、急性障害の反映に有用)
- 分布:全身のほぼすべての組織に存在し、臓器ごとに優位なアイソザイム(LD1〜LD5)が異なる
LDH高値を示す主な疾患
LDHは「何にでも上がる」と軽視されがちですが、実際には鑑別の糸口となる重要な検査項目。
- 溶血性貧血:Hb低下、網赤血球増加、血液像異常と併せて評価
- 横紋筋融解症:CK著明上昇、筋肉痛、ミオグロビン尿を伴う
- 肝疾患:肝逸脱酵素(AST、ALT)の上昇を伴うかどうかで判断
- 肺疾患:間質性肺炎などで上昇することがある
- 血液悪性腫瘍特に悪性リンパ腫では「LDH上昇のみ」が唯一の所見になることもあり要注意
アプローチの実際
LDH高値を認めた場合、まずはルーチンで以下を確認する
- Hb、血小板、血液像
- CK
- AST、ALTなど肝逸脱酵素
これらで説明困難な場合は、腎・肺・造血器腫瘍などを系統的に考慮する。
LDH分画の意義
LDHアイソザイムの分画は臓器特異性を持つが、実臨床で診断を決定づけた経験は少なく、利用価値は限定的とされる。ただし難治性・原因不明例では提出してもよい。
- LDHは「なんでも上がる」からこそスルーされがちだが、実際には診断の手がかりになる。
- 持続的上昇では特に血液悪性腫瘍を鑑別に挙げることが重要。