先日、教科書でのみでしか拝見したことのなかったアヘンバッハ症候群を実臨床でも経験したため、この機会にこの疾患についてまとめます。
概要
アヘンバッハ症候群は、外傷なく突然に指に疼痛を伴う紫斑・血腫が出現する良性疾患で、paroxysmal finger hematoma とも呼ばれる。
中年以降の女性に多く、内科外来で比較的遭遇しやすい。
臨床像の特徴
- 突然発症
- 指の疼痛・違和感
- 数時間以内に紫斑・血腫形成
- 手掌側に多く、爪床は保たれる
- 冷感・蒼白・壊死などの虚血所見なし
経過・病態
- 数日〜1週間程度で自然軽快
- 再発あり得るが後遺症なし
- 末梢血管の一過性破綻による皮下出血が想定されている
鑑別診断
- 急性動脈閉塞などの血栓性疾患
- レイノー現象
- 血管炎
- 凝固異常・血小板減少
- 感染・外傷
虚血症状や全身症状を伴わない点が重要な鑑別ポイント。
検査・対応
- 原則として検査不要
- 初回や不安が強い場合のみ採血等を考慮
- 治療は経過観察が基本